
どうも!
かなりお久しぶりな、萬國珈琲 今井です☕
休日の朝、ちょっとした贅沢… いつもよりちょっと高かったコーヒーをハンドドリップで淹れようと準備するあなた。 そんなとき突然…!ふと、あなたに疑問が浮かびます。
「え…そういえばフィルターって白と茶色があるけど…あれ、どっちを選べばいいんだろう…」
そう実は! この「白」と「茶色」の違い、見た目だけじゃなくて、加工方法やコーヒーの風味、さらには環境への配慮まで関わってくるんです。でも、ネットの情報って専門用語が多かったり、逆にざっくりしすぎていて「結局どっちがいいの?」が分かりにくいですよね。
この記事では 、
①白と茶色の違いってなに?
②それぞれのメリット、デメリットは?
③結局、初心者におすすめなのはどっち?
の①~③項目に分け、これさえ読めば迷わないくらいに、珈琲屋である当店が、わかりやすく解説していきます。
(今井だと頼りないとか言わないで)
まず結論から!!
それは「どっちでもいい!!」です…笑
すみません、厳密にいうと「楽しみ方」や「目的」によって分けたらよいというのが答えです。
…待ってください。どっちでもいいんかーい!__とならずに!
さて、どういうことでしょうか、一緒に見ていきましょう!!
①白と茶色の違いってなに?

⑴ 原材料の共通点と出発点の違い
まず注目すべきは、どちらのフィルターも基本的には「木材パルプ」から作られているということ。
つまり、素材じたいは共通しています。違いはそのあとに行われる「加工処理」にあります。
茶色のフィルターは、木材パルプに薬品を使わず洗浄し形にしたもの。いわば天然のフィルターです。「みさらし」と呼ぶことも。 白いフィルターは、そのパルプに漂白処理を施し、色を抜いてから成形したもの。
人工的な工程を加えた製品といえます。 この加工の有無こそが、それぞれのあらゆる違いの起点となります。
(さあさあ、ここからですよー!!)
⑵ 漂白処理の種類と進化
白いフィルターの「漂白」は、かつては塩素を用いて行われていましたが、環境や健康への配慮から、現在は酸素系漂白が主流です。酸素漂白は塩素に比べてダイオキシンなどの有害物質を出さず、より安全かつ環境にやさしい手法として採用されています。
この処理の目的はただ「見た目を白くする」だけではありません。漂白によって紙の中に含まれるリグニン(木の構造を支える成分)や油分、揮発性物質が除去されるため、コーヒーに移る「紙臭さ」や「雑味」の元を減らす効果があります。
⑶ 味わいへの影響:繊細さ vs 個性
白いフィルターは、コーヒー本来の風味に干渉しにくいという大きな利点があります。とくにシングルオリジンのスペシャルティコーヒーのように、豆の持つ繊細な味の輪郭をしっかり表現したい場合、白いフィルターのほうが適しているとも言われています。
対して、茶色いフィルターは紙の匂いや油分が残っているため、フィルター自体の存在感が風味に影響を与える可能性があります。もちろん、事前に「湯通し(リンス)」を行えばその影響はかなり軽減されますが、手間を惜しまず扱える人にとってこそ活きるフィルターです。
つまり、あなたが一杯の風味に対して「どう表現したいか」がフィルター選びの分かれ目になります。
⑷ 環境負荷とサステナビリティの視点
茶色(ブラウン)のフィルターは薬品的な加工がない分、比較的環境にやさしいとされています。この観点から、エコ志向の強いコーヒーショップや個人ユーザーの間では、茶色いフィルターが選ばれる傾向が高まっています。しかし、近年では「漂白=環境に悪」という単純な図式は、当てはまりません。酸素漂白を用いた白いフィルターは、生分解性が高い製品も増えており、一概に茶色いフィルターの方が優れているとは言い切れないのが現実です。
___いっぽうで!!
一見エコな茶色のフィルターも、実は大量の水で洗い流すことでリグニン等を洗い流す工程があるのです…。
そう考えると、う~ん……、エコ…というのは、イメージに過ぎないのかもしれませんね。
\👉+α の Checkポイント! /
🌱 ペーパーフィルターと環境配慮素材の進化🌱
近年では、ペーパーフィルターの原材料にも環境への配慮が求められるようになってきました。
従来のフィルターは主に「木材パルプ(広葉樹や針葉樹)」を原料として作られていますが、これは森林資源を直接利用することにつながります。そのため、そもそも原材料の選定が環境負荷に大きく関わってくるのです。そこで注目されているのが「アバカ(マニラ麻)」や「バンブー(竹)」など、再生可能な非木材繊維を利用したペーパーフィルターです。
▶ アバカ(マニラ麻)とは?
バナナに似た多年生植物で、フィリピンなど東南アジアで広く栽培されています。
アバカの繊維は非常に丈夫かつ軽く、成長が早いため、持続可能な素材として高く評価されています。
▶ バンブー(竹)の活用
竹は1年で数メートルも成長する極めて再生力の高い植物で、木材の代替資源として注目されています。
竹繊維を取り入れることで、伐採される森林資源の割合を減らしながら、適度な強度と通気性を持つフィルターが実現可能になります。
こうした植物繊維を木材パルプと併用することで、“木の使用量”を減らし、森林伐採の抑制に貢献するというコンセプトが広がりつつあります。これは、サステナブルなコーヒー文化を支える一歩でもあり、フィルター選びにも「素材で選ぶ」という新しい視点をもたらしています。
⑸ 文化的背景と嗜好性の違い
面白いのは、国や文化圏によってフィルターの好みに差があることです。
たとえば日本では「清潔」「雑味の少なさ」を重視する傾向が強く、白いフィルターもよく使われますが、反対に北欧やドイツなどの一部の国では、ナチュラルで環境にやさしい暮らしが評価されることから、茶色いフィルターの支持が根強いなんてこともあります。
また、お店の雰囲気、クラフトコーヒーの現場などでは、自然な素材を使うこと自体がある種の美学として重視される場合もあります。つまり、フィルター選びも表現手段の一部として扱われる場合があるということも珍しくありません。
(ここでいいう表現は、味でなく総合的な表現です)
⑹ 最終的な選択は「姿勢」の表れ
結局のところ、白いフィルターと茶色いフィルター、どちらが“正解”ということはありません。
選択はあなたのコーヒーに対する姿勢や意識、そして日々の暮らしへの向き合い方に結びついています。
「少しでも純粋な味を求めたいから白」
「自然な素材にこだわるから茶色」
「時間がない日は白」
「休日の余裕のある朝には茶色でリンスから丁寧に」
「見た目が可愛いから茶色」
――そんなふうに、シーンや気分で使い分ける、試してみる!ってのもまた、コーヒーライフを楽しむ方法のひとつですね!
②それぞれのメリット、デメリットは?

コーヒーフィルターを選ぶ際に、多くの人が気にするのは「白と茶色、どちらが美味しく淹れられるのか?」という点かもしれません。しかし、実際の選択はもっと多面的です。ここまで説明したように、味だけでなく、扱いやすさやライフスタイル、見た目、さらには社会的な価値観まで関係してきます。
ここでは、白いフィルターと茶色い(ブラウン)フィルターそれぞれのメリットとデメリットを、多角的に比較していきましょう。
⑴ 白いフィルター(漂白フィルター)
✅メリット
1.紙臭さが少なく、風味への干渉が小さい
漂白工程によって、パルプに含まれるリグニンや油分、揮発性物質が除去されるため、抽出時にコーヒーに紙の匂いや雑味が移りにくくなります。これは特に浅煎りやシングルオリジンの豆を扱う場合に重要なポイントで、豆本来の個性をクリアに表現できます。
2.湯通しが不要なことが多く、手軽
あらかじめ不純物が除かれているため、朝の忙しい時間帯でも「そのままセットしてすぐ淹れられる」という利便性があります。家庭用において非常に大きなメリットですよね。ただし注意点!「湯通し(リンス)がいらない」と断言している訳ではありません。
漂白済みとはいえ、わずかに紙のにおいが残っていることが気になるという方もいます。「フィルターとドリッパーをなじませるため」という目的や「器具の予熱のため」という場合もあります(抽出温度の急激な低下を防ぐ) 一概に、白=リンス不要というわけではありませんのでご注意ください。
3.均一な品質と清潔感
白い紙は製造時にクオリティ管理がしやすく、品質が安定していることが多いです。見た目の「清潔さ」も、日本ではとくに好まれるポイント。とはいえ、日本のメーカーで販売されているフィルターは例えブラウンでも、基本的に品質は良く、安全、安心です。
❌ デメリット
1.製造時に環境負荷がかかる(場合がある)
特に旧式の塩素漂白を使っている製品では、製造過程で環境に負担がかかる可能性があります。とはいえ、現代では多くのブランドが酸素漂白に移行しており、その点は徐々に解消されつつあります。
2.「人工的」だと感じる人もいる
ナチュラル志向やオーガニック思考の人にとっては、白く加工された紙が「化学的」「不自然」と感じられることもあります。ブランド選びで印象が分かれる部分です。
⑵ 茶色いフィルター(未漂白フィルター)
✅ メリット
1.環境負荷が比較的少ない(というイメージ…)
漂白処理がされていないため、製造時の化学処理が最小限。製造工程がシンプルで、持続可能性の高い選択肢として評価されています。環境に配慮した暮らしを意識する人には理想的。
※ただし、茶色いフィルターは大量の水で洗い流す工程あり!
2.自然な風合いで、見た目にも温かみがある
クラフト調の見た目は、ナチュラルなキッチンやカフェ、アウトドアシーンにもよく馴染みます。(ちなみに今井は見た目派です笑) 「素材に忠実な味」を好む人には魅力 あえて多少の紙の香りを活かすことで、より「ナチュラルで素朴な風合い」を楽しめるという捉え方もあります。
あえてそれを“個性”と捉えるスタイルも確かに存在します。コーヒー好きな皆様へ伝えるのであれば「オーク」「パインツリー」の樹木のような「シリアル」穀物っぽい風合いといった具合でしょうか。
❌ デメリット
1.湯通し(リンス)が必要で、やや手間がかかる
紙の成分(リグニン、油分など)が残っているため、使う前に熱湯でフィルターを湯通ししないと、コーヒーに紙の香りが移ることがあります。この工程を面倒に感じる人には不向きかもしれません。 風味に影響する可能性がある とくに浅煎りや華やかな香味の豆を使った場合、紙の風味がコーヒーのアロマをマスクしてしまうことがあります。繊細なフレーバー表現には不利とされることも。
2.コストがやや高めな場合がある
オーガニックやエコラベル付きの製品である場合は、製造量が限られていることもあり、白いフィルターより価格が高いケースも見られます。
■ まとめ:どんな価値観で淹れるかがカギ

あなたが「何を大事にしたいのか?」によって、正解は変わります!
・味に一切の妥協をしたくない → 白いフィルター
・時間をかけて丁寧に淹れたい、自然素材にこだわりたい → 茶色いフィルター
・両方のバランスをとりたい → シーンや豆によって使い分けるのも◎
③ 結局、初心者におすすめは、どっち?

コーヒーを始めたばかりのとき、器具選びや豆選びと同じくらい悩ましいのが「フィルター選び」。特に白と茶色のフィルターの違いは、パッと見ただけではわかりにくく、どちらを買うべきか迷ってしまう方が多いはずです。
では結論――初心者には「白いフィルター」がおすすめです。
ただし、それにはしっかりとした理由があります。
■ 理由1:味が安定しやすい
コーヒー初心者の多くは、まだ「豆の違い」「抽出時間」「湯温」など、細かな変数をすべてコントロールするのが難しい段階にあります。そんな中で、フィルターによって雑味や紙臭が加わると、コーヒーの味がぶれてしまい、何が原因なのか分からなくなりがちです。 白いフィルターは漂白処理によって不要な成分が取り除かれており、味への干渉が少ないため、より「純粋なコーヒー豆の味」を感じ取りやすくなります。これは、味覚の基礎を築いていく段階において、非常に大きなメリットです。
■ 理由2:湯通しの手間がいらない
茶色い(未漂白)フィルターを使う場合、ほとんどの場面で「湯通し(リンス)」が必要です。これは、ペーパーの風味を落とし、コーヒーの味に影響を与えないようにするための大事な工程ですが、初心者にとっては一手間が多く、抽出の流れが複雑になる要因でもあります。 白いフィルターなら、基本的にリンスなしでそのまま使えるものが多く、「すぐに淹れられる」という手軽さが大きな安心感になります。これは毎日淹れる習慣づくりの面でも有利です。
■ 理由3:市場に出回っている数が多く、情報も豊富
白いフィルターは国内外問わず多くのメーカーが製造しており、製品の選択肢も豊富です。加えて、初心者向けのレシピ動画やブログ記事の多くも、白いフィルターを前提とした抽出方法を紹介しています。つまり、参考にできる情報が多く、安心して始められるという点でも初心者に優しいのです。
■ 最終結論:まずは白、余裕が出てきたら茶色も試してみよう
初心者にとって大事なのは、コーヒーの味の基準を自分の中に作ることです。
そのためには、余計な変数をできるだけ減らし、毎回安定した味で抽出できる道具を選ぶことが近道になります。
ですから、最初の1〜2ヶ月は白いフィルターで基本を身につけることをおすすめします。
そして、抽出や味わいの変化に興味が湧いてきたら、湯通しを前提に茶色いフィルターを試してみる。
このように段階的に選択肢を広げていくことが、無理なくコーヒーの世界を深く楽しむコツ!かもしれませんね。
いかがでしょうか。なんだかフィルターひとつでこんなに奥深いなんて…という感じですよね!
ちなみに『ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2024』にて準優勝を獲得した、萬國珈琲ザ・モール仙台長町店の太田バリスタが決勝大会の日に使用していたのは「白い」フィルターでしたよ!
それではまた!
たのしいひとときを、珈琲から
萬國珈琲 今井☕
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